キンモクセイの芳香が鼻腔をくすぐる季節になりました。

でもまだ冬物のスーツにする気にはなれない暖かさが続いています。
詰襟の高校生諸君、ご苦労…。

　・・・

先日、VTR1000F ファイアーストーム号のタイヤ交換をしてもらっている待ち時間、
バイク屋さんが代車にスクーターを貸してくれました。

ホンダの“スペイシー100”です。
おぉ、フロントのディスクブレーキがイッチョマエ！
（公式サイトは こちら）
ちなみにこの黄色は“パールコーンイエロー”だそうで、VTR1000Fの“パールシャイニングイエロー”とは似ていますが、別の色です。

スクーターが出てきたのを見て一瞬、原付かと思って腰が引けたんです。
だって、2段階右折の仕方がいまだにわからない…。

左端の車線を走っていて、右折しようとしますよね？
でも原付だといったん左に寄る事になりますが、その際のウィンカーって左？それとも右？？
いずれにしても30キロ制限なんか守れっこないし、あんな社会的に矛盾だらけの乗り物には乗れましぇ～ん。

二種なら二段階右折も30キロ制限も関係なし、自動車専用道路こそ走れないものの、一般道なら自動２輪と同じように走れます。

実は私、スクーターで外の道をまともに走るのは初めてです。
昔、友達のディオをちょっと借りて乗ったり、試乗会で教習所のコースを乗ったくらい。

おっかなびっくり走り出しますが、やっぱりガソリンタンクでニーグリップできないとバイクとの一体感が希薄で怖いです。

加速はスムーズで振動もありませんが、加速自体はトロイなぁ。
100ccということで原付のちょうど２倍の排気量ですが、余裕はさほどありません。
全開で引っ張ると80kmくらいはすぐ出ますが、ちょっとしたギャップで跳ねるし、フロント12インチとはいえ、直進安定性もOKが出せるのは60ｋｍまでか。

スペックを確認すると、最高出力は7.1馬力、トルクは0.8kg。
一番元気の良かった頃の50ccスクーターとちょうど同じくらいなんですね。
一方で車重は乾燥で94kgと排気量なりの重さ。走らない訳だ…。
とてもじゃないが、タンデムなんか怖くてできそうにありません。

やっぱり2ストって、馬力出ていたんだなぁ。
環境対策も大事とはいえ、発進加速で簡単にフロントがポンポン浮いていたあの頃の原付スクーターを思い出すと寂しい気もします。

サスペンションも実にお粗末。ボヨンボヨンでダンピング不足、車体全体が剛性不足。
ちょっと傾けるとスタンド（？）は設置するし、やっぱり“走り”を楽しめる車ではありません。

スクーターなので自動遠心クラッチです。
速度が落ちると勝手にクラッチが切れて、低速の挙動が不安定になります。
そこでアクセルを開けてクラッチはつなげたままリヤブレーキを軽くかけて速度をコントロールしようとしますが、今度は“コンビ・ブレーキ（前後連動ブレーキ）”が作動、かけたくないフロントブレーキが勝手にかかってしまいます。

前輪ブレーキだけの操作で後輪が効くならわかるけど、後ろは独立して効かせる事ができるべきだと思うんだけど、なんでだろう？
どのような使い方、車体姿勢の制御を想定しているのかなぁ？？

シート下のメットインスペースもガタイの割りには小さめ。
フルフェイスのヘルメットを入れるともういっぱいです。

かなり辛めの印象になってしまいましたが、
まぁ、車両価格が210,000円（税込み）と聞くと、この安さなら仕方ないかな。
（実は中国製だそうで、れっきとした外車です。笑）
ゲタ代わりに、割り切って使うならいいのかも。